講座・イベント
「水から考える江戸の暮らし」~200年前の水道事情とは?~
紅ミュージアムは、江戸時代後期の文政8年(1825)に日本橋小舟町で創業した紅屋「伊勢半」が運営するミュージアムです。紅づくりの工程には「水」が欠かせません。では、創業当時の日本橋小舟町周辺の水道事情はどのようなものだったのでしょうか。
伊勢半創業の頃、周辺には江戸時代はじめに完成した上水道「神田上水」が引かれていました。現在の神田川の水が、石や木の水道管によって導かれていたのです。一方で、地下水を利用する井戸もあり、用途によって使い分けられていたようです。
本講座では、当時の日本橋界隈の水利用の実情を、史料とともに考古学的な発掘調査成果も交えてご紹介いたします。また、あわせて江戸時代後期の“水と暮らし”に関して学びます。工業用水としての水だけでなく、生活用水としての水についても知ることで、伊勢半創業の背景とも言える、当時の人々の暮らしぶりにぜひ思いを馳せてください。
●日 時:2026年2月7日(土)14:00~15:30
●講 師:金子智氏(東京都水道歴史館 企画調査責任者[学芸員])
●定 員:20名(中学生以上・先着順)
●参加費:500円
●申込方法:こちらのウェブサイト(Airリザーブ)よりお申し込みください。
●申込受付開始:2026年1月6日(火)10:00より
金子智氏プロフィール

略歴
1966年山口県佐波郡徳地町(現山口市)生まれ。大学進学のため上京後、千代田区などで都心部の大名屋敷等の江戸遺跡の発掘調査に携わる。2008年から愛知県の「高浜市やきものの里かわら美術館」に勤務。2016年に帰京後、2017年より現職。専門は近世(江戸時代)の考古学で、
上水道のほか江戸の屋根瓦の研究をライフワークとしている。
近著:
・2025.1「徳川御殿の瓦―青戸御殿を中心に―」江戸遺跡研究会編『徳川御殿の考古学』所収(吉川弘文館刊)
・2025.6「江戸の上下水道」『近世城郭の考古学』所収(高志書院刊)
・2025.7「総論 近世における上水と分水―江戸の事例を中心に―」『考古学ジャーナル』No.812所収(ニューサイエンス社刊)
